「MY ROAD」
向こうから手前に向かって駆けてくる馬たちの道には
人生のターニングポイントを示すような額縁が配置され
周囲にはその時々を彩る出来事のように、様々な球体が配置されています。
見る人にとっては、未来から過去をさかのぼるようなイメージで
その向こうにある始点には、神だけが知る、運命の計画書が
刻まれているかのような陶板のタワー。
「自分の原点」を探るという、今年のテーマを決めたときから始まった、
自分自身の人生の軌跡を振り返り、そしてこの先を見つめるという旅路。
そんなものを表現に込めました。
作品の構想を練るほどに、土に向かえば向かうほどに、
「私にはこの道しかありえなかったのだ」という思いが強くなります。
それは、単に陶芸家として生きることを決めたときからではなく、
この世に生まれたときも、父と母の背中を見ながら成長するそのときも、
私の人生の道は、今日のこの日へ向かっていたのだ、という万感の思いです。
来て下さった皆様と、インスタレーションの解釈についてお話を
お聞きする時間もほんとうに楽しかったです!
また、今年のテーマに合わせて、室内展示の小作品も
今年らしい色と形をご用意しました。
その中のひとつ、来年の干支羊も、そのユーモラスな雰囲気で
温かみを添えてくれたように思います。
今回の目玉の一つ、勅使河原和風会の先生方とのお花のコラボレーションが
文字通り、会場に華やぎを添えてくださいました。
私の作品と花が呼応する様は、我ながらお見事!と感じた次第です。
予想を上回るご好評をいただいたのが、ランチ企画でした。
皆様からおいしかった、の声をいただきました!
ですが、その反面ながくお待たせしてしまいましたお客様もありましたこと、
お詫び申し上げるとともに、また次回企画への改善材料とさせていただきたいと思います。
快く様々なスタッフを引き受けてくださった関係者の皆さんにも
心からありがとうございました。
初めて「個展」の形式で臨んだ作品展でしたが、
次につながる、確かな手ごたえをいただきました。
来年は「自由自在」というテーマで、
また新たな境地を開いていけるよう、精進してまいります。
心から、全ての皆様に、ありがとうございました!
2014年5月 白石正子